社員の「レジリエンス」を上げるには?意味や強化方法を解説
2013年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、「レジリエント・ダイナミズム(強靭な活力)」がメインテーマとして掲げられ、システムや社会のレジリエンスを十分に高めることの重要性が主な議題として挙げられました。
システムや社会のレジリエンスを高める必要性が認められはじめると同時に、企業が社員のレジリエンスを高めようとする動きも盛んになりつつあります。
そこで本記事では、企業が社員に求めるレジリエンスについて意味やメリットを解説します。
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レジリエンスとは
レジリエンス(resilience)とは、回復力・立ち直る力・復活力という意味で、心理学ではストレスが大きな状況でも、心が折れず立ち直ることができる能力のことを指します。
近年、レジリエンスはビジネスの場でよく使われますが、ビジネスの場でも心理学と同様に「大きなストレスを受けても、心が折れず、立ち直ることができる力」のことを指します。
レジリエンスと混同しやすい用語
なぜ注目されているのか?
レジリエンスに関する国際会議が開催されたり、レジリエンスに関する書籍が販売されたりと、世界中でレジリエンスは大きな注目を受けています。
それはなぜなのでしょうか?
理由としては、
・AIなどの活躍により、時代の変化が速くなってきたことで、労働環境の変化が余儀なくされていること ・コロナウイルスが流行したことで、人々の生活がますます不安定・不確実になったこと |
が挙げられます。つまり「環境の変化」・「将来への不安」からレジリエンスに注目が集まったと言えるでしょう。
社員のレジリエンスを高めることのメリット
メリット①:ストレスを乗り越え、社員が成長できるようになる
現代の日本はストレス社会といわれています。そのため社員は多くの困難や逆境に直面し、ストレスを抱えています。レジリエンスが高い人は、そんなストレス下でも自分の成長のためにとポジティブに考える特徴があります。ストレスに負けない社員になってもらうために、社員のレジリエンス向上に取り組みましょう。
メリット②:生産性が向上し、離職率が低下する
多くの困難や逆境に直面しても、レジリエンスが高い社員はポジティブに仕事に取り組むことができます。
そのため、社員一人ひとりのレジリエンスが向上することで、生産性の向上・離職率の低下が期待できます。
社員のレジリエンスを向上させる方法
方法①:できたことに意識を向ける
人間は「できたこと」より「できなかったこと」のほうに意識が向きやすいと言われています。そこで、上司が部下の「できたこと」に注目し、声に出して褒めてあげることで、自然と部下は「できたこと」に目が向き、徐々に自己肯定感が向上して、ちょっとのことでは折れないレジリエンスが高い人間になるでしょう。
方法②:失敗を悪と捉えない雰囲気を作る
失敗を悪いことと考えずに、失敗から多くのことを学ぼうとする会社の雰囲気があれば、社員は発言や行動を恐れることなくできるようになり、失敗しても失敗から多くのことを学ぶことができる、より成長できるレジリエンスが高い社員になるでしょう。
まずは身近な会議での発言などで、社員の失敗を必要以上に責めていないか確認することから始めましょう。
方法③:社員同士のつながりを強くする
社員同士がコミュニケーションを活発に行ってもらうための制度やコミュニケーションツールを整備しましょう。上司と部下だけでなく、同僚同士・先輩後輩などできるだけ多くのつながりを作る機会を与え、社員同士強いつながりを持つことで、困難に直面しても折れにくい高いレジリエンスを獲得できるでしょう。
例えば、ランチ会やメンター制度などでつながりを作ることができます。
まとめ
ここまでレジリエンスの意味、レジリエンス向上のメリットや方法について解説しました。
ストレス社会といわれる現代の日本において、ストレスを受けても折れずに立ち直る能力であるレジリエンスは非常に重要です。社員一人ひとりのレジリエンスを向上させ、精神疾患による離職や休職を予防しつつ、企業の生産性も向上させましょう。
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