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【派遣の3年ルールとは?】「事業所単位」「個人単位」の期間制限と延長方法

はじめに

3年ルールとは、派遣労働者の雇用の安定やさらなるキャリアアップのため、2015年の労働者派遣法の改正によって追加されたルールのひとつです。

この記事では、通称3年ルールとも言われている労働者派遣法の改正が、派遣労働者・派遣先にとってどういった内容なのか解説していきます。


目次[非表示]

  1. はじめに
  2. 3年ルールとは?
    1. ① 派遣先の「事業所単位」の期間制限
      1. 【Tips】事業所とは?
    2. ② 派遣労働者の「個人単位」の期間制限
  3. 期間制限の延長方法
    1. ①派遣先の「事業所単位」の延長方法
      1. 【Tips】抵触日とは?
    2. ②派遣労働者の「個人単位」の延長方法
    3. クーリング期間による期間延長
      1. ①派遣先の「事業所単位」の期間延長
      2. ② 派遣労働者の「個人単位」の期間延長
  4. 働き続けるには
    1. 助成金の拡充
  5. まとめ


3年ルールとは?

3年ルールとは、「同じ事業所で3年を超えて働くことは基本的にできない」というものです。

対象は「2015年9月30日以降に労働者派遣契約を締結・更新した派遣労働者」ですが、以下に当てはまる方は、3年という期間制限の対象外です。

・ 無期雇用の派遣労働者
・ 60歳以上の派遣労働者
・ 期限のあるプロジェクト業務に従事する派遣労働者
・ 日数が限定されている業務の派遣労働者(※)
・ 産休、育休、介護休業等を取得する労働者のかわりに業務を行う派遣労働者

(※)1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ 10 日以下であるもの


3年という期間制限には、派遣先の「事業所単位」と派遣労働者の「個人単位」の2種類があります。まず、この2種類の期間制限についてそれぞれご説明いたします。


① 派遣先の「事業所単位」の期間制限

派遣先の同じ事業所における派遣可能期間は、原則最大3年までとなります。下図のように、Aさん(期間制限の対象者)が■店で働き始めた日が、派遣可能期間の起算日となります。それ以降、3年間の間にBさんCさんといった派遣労働者が交替しても派遣可能期間の起算日は変わらず、派遣可能期間の途中から開始したBさんCさんの派遣期間は原則その派遣可能期間終了日までです。


【Tips】事業所とは?

事業所

・工場、事務所、店舗等、場所的に独立していること
・経営の単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
・施設として一定期間継続するものであること
→上記に挙げた観点から、実態に即して判断される


② 派遣労働者の「個人単位」の期間制限

同じ派遣労働者を、派遣先の同じ課やグループに派遣できる期間は、最大3年までとなります。例えば、Aさんが■店の▲課で働いていた場合、Aさんは3年間を超えて▲課で働くことはできません。


期間制限の延長方法

これまで、2種類の期間制限についてご説明してきましたが、それぞれに対して3年を超えて働くことができる延長方法があります。


①派遣先の「事業所単位」の延長方法

3年という期間を超えて派遣を受け入れるには、派遣先の事業所の過半数労働組合等から意見聴取を行うことで延長することができます。ただし、延長期間は3年であり、延長する際には以下のことに注意が必要です。

・意見聴取は、抵触日の1ヶ月前までに行うことが必要です。

・意見聴取によって過半数労働組合等から異議があった場合は、派遣先は対応方針等の説明義務が課されます。

・派遣可能期間を延長した場合でも、「個人単位」の期間制限を超えて同じ有期雇用の派遣労働者を引き続き同じ課やグループに派遣することはできません


【Tips】抵触日とは?

抵触日とは、起算日から3年後の同日のことで3年という制限期間を超えた最初の日のことです。例えば、2015年4月1日が起算日の場合、抵触日は2018年4月1日になります。この日から期間延長の対応をとっていない場合、派遣を受け入れたり派遣労働を行なったりすることができなくなります。


②派遣労働者の「個人単位」の延長方法

個人単位では、課やグループを変えれば、同じ事業所に同じ派遣労働者を派遣することができます。ただし、事業所単位の期間制限による派遣可能期間が延長されていることが必要です。


クーリング期間による期間延長

クーリング期間とは、派遣労働の契約がない空白期間のことで、このクーリング期間の考え方は事業所単位の期間制限・個人単位の期間制限のどちらにもあります。この考え方による期間延長には、注意が必要です。


①派遣先の「事業所単位」の期間延長

下図のようにAさんの派遣終了後、Bさんを派遣するまでに3ヶ月を超えるクーリング期間がある場合、Bさんが働き始めた日が、新たに派遣可能期間の起算日となります。ただし、この方法は派遣労働者の雇用の安定やさらなるキャリアアップという点から望ましくありません。
また、派遣先が派遣可能期間の延長手続の回避を目的として、「クーリング期間」を空けて派遣の受入れを再開する、実質的に派遣の受入れを継続する行為は、法の趣旨に反するものとして指導等の対象となります。


② 派遣労働者の「個人単位」の期間延長

下図のようにAさんが総務課で3年間働いた後、3ヶ月を超えるクーリング期間を空けることで、総務課で引き続き働くことができます。ただし、本人の意思にかかわらずクーリング期間を空けて継続した業務に派遣することは、さらなるキャリアアップという点から望ましくありません。


働き続けるには

3年という期間を超えて働くには、期間を延長する以外の方法として有期雇用から無期雇用へ切り替えるといった雇用形態の変化が挙げられます。派遣労働者の雇用の安定やさらなるキャリアアップのため、雇用形態について改めて考えてみてはいかがでしょうか。雇用形態の変化を後押しするべく、2015年に拡充された次の助成金があります。


助成金の拡充

2015年より、派遣先が受け入れている派遣労働者を直接雇用とした場合に受け取れる「キャリアアップ助成金」が拡充されました。キャリアアップ助成金は、3つのパターンと企業の規模によって金額が異なっています。

パターン
金額 ()内は大企業の場合
派遣労働者(有期雇用)を正規雇用にした場合
1人当たり80万円(70万円)
派遣労働者(有期雇用)を無期雇用にした場合
1人当たり20万円(15万円)
派遣労働者(無期雇用)を正規雇用にした場合
1人当たり60万円(55万円)


まとめ

今回ご紹介した通称3年ルールと言われている労働者派遣法の改正は、派遣労働者・派遣先どちらにとっても知っておくべき内容であります。派遣労働者の雇用の安定・さらなるキャリアアップのために改正されたものではありますが、派遣労働者の雇用形態を変更させた場合、企業に対しても助成金といった補助があります。

労働者派遣法の改正について理解を深め、派遣労働者のより良い雇用に繋げていきましょう。


参考文献

厚生労働省 「平成27年労働者派遣法の改正について」

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