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業務委託とは?2種類の委託方法と会社が注意すべきポイント

はじめに

近年、働き方改革によってテレワークやフリーランスなどさまざまな働き方が増えています。多様な働き方の1つとして、個人事業主となって企業から業務委託を受けて働くケースがあります。しかし、業務委託は注意をしないとトラブルが起こりやすい契約でもあります。

この記事では、業務委託について「請負契約」「委任契約」の違いやメリット・デメリットを理解するとともにトラブルを回避するための対策について知っていきましょう。


目次[非表示]

  1. はじめに
  2. 業務委託とは?
    1. 業務委託の種類
      1. 請負契約
      2. 委任契約
      3. 【Tips】準委任契約
    2. 派遣との違い
  3. 業務委託活用における注意点
    1. 偽装請負
      1. 【Tips】偽装請負を防ぐためのポイント
    2. 業務委託契約書を結ぶときに注意するポイント
    3. フリーランスと契約する際に依頼側が注意するべきポイント
      1. 【Tips】下請法の規制の対象
  4. まとめ


業務委託とは?

業務委託とは、企業が一部または全ての業務を外部の事業者や個人に依頼することです。人員や資源が十分でない場合、外部に依頼することは重要な選択肢となります。
​​​​​​​

【メリット】
・コストの削減ができる
・業務を効率化することができる
・外部の専門とする事業者の資源やノウハウを活用することができる

【デメリット】
・自社内でのノウハウ蓄積が困難
・目が届きにくくなる

【対策】
・全てを委託事業者任せにしない
・事業の質を管理する
・事業の目的を共有する


業務委託の種類

業務委託には、大きく分けて請負契約委任契約の2種類の契約があります。どちらも業務委託を行う際に発注者と受注者の間で結ばれる契約であり、それぞれ民法によってどういった契約なのか規定されています。


請負契約

請負契約とは、受注者仕事の完成を約束し、発注者が仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約です。つまり、完成品や結果を目的としており、セミナーの講演や演奏、ソフトウェアの開発などが請負契約として考えられています。



【メリット】
・報酬の支払いが目的物の受け渡しと同時に行われる
・目的物が契約内容に適合しない場合、修正依頼などができる

【デメリット】
・仕事が完成したといえるかどうかトラブルが生じることもある

【対策】
・契約を結ぶ際に最終工程がどこまでか明確にする


委任契約

委任契約とは、委任者からの依頼に対して、受任者が任務を遂行することで委任者から報酬を得る契約です。つまり、任務の遂行を目的としており、完成品や結果は必ずしも求められていません。弁護士に訴訟代理を依頼する場合や税理士に業務を委任する場合が委任契約として考えられています。



【メリット】
・業務の中の細かな変化に対応してもらいやすいケースがある

【デメリット】
・期待する成果が得られないことがある
・契約期間内に業務が終わらず、余分なコストがかかる可能性がある

【対策】
・期待する成果が得られないことが多くある場合、請負契約にする
・専門的な知識や技術を持っている人を雇ってしまう


【Tips】準委任契約

準委任契約とは、委任契約と似ていますが、依頼する内容によって変わってきます。依頼する内容が法律行為にあたるものであれば委任契約となり、法律行為にあたらないものであれば準委任契約となります。医師による患者の診察や調査業務、事務処理など多くの委任業務が準委任契約として考えられています。


派遣との違い

派遣と業務委託の大きな違いは、発注者と労働者の間に指揮命令関係が生じない点です。派遣では、派遣先と派遣労働者の間に指揮命令関係が生じます。しかし、業務委託では労働者の管理は受注者が行うため、発注者は受注先で雇用されている労働者に対して指揮命令を行うことができません


業務委託活用における注意点

業務委託を活用するにあたって、発注者と受注者の間でのトラブル発生や法律に抵触することを防ぐため、十分に注意することが必要です。委託する際にするべきことや気を付けるポイントについてご説明します。


偽装請負

偽装請負とは、形式的には業務委託契約としているものの、実際には労働者派遣となっている形態のことです。つまり、発注者と労働者との間に指揮命令関係が生じている状態が偽装請負です。これは違法であり、気をつけなければなりません。


実際に偽装請負となるケースについてご説明します。厚生労働省 東京労働局によると、偽装請負の代表的なパターンは以下のようになっています。

【代表型】偽装請負によく見られるパターン
・請負と言いながら、発注者が業務の細かい指示を労働者に出したり、出退勤・勤務時間の管理を行ったりしている

【形式だけ責任者型】単純な業務に多いパターン
・現場には形式的に責任者を置いているが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じになっている

【使用者不明型】誰に雇われているのかわからないパターン
・業者Aが業者Bに仕事を発注し、Bは別の業者Cに受けた仕事をそのまま出す。Cに雇用されている労働者がAの現場に行って、AやBの指示によって仕事をする

【一人請負型】労働者の斡旋等を受けるときに注意するパターン
・実態として、業者Aから業者Bで働くように労働者を斡旋する。しかし、Bはその労働者と労働契約は結ばず、個人事業主として請負契約を結び業務の指示、命令をして働かせる


【Tips】偽装請負を防ぐためのポイント

偽装請負についてご説明してきましたが、偽装請負を防ぐために最も大事なことは、発注者と労働者の間に指揮命令権が生じないようにすることです。そのために注意するポイントは、以下の通りです。


労働者に対して直接指揮命令を行わず、請負事業主に要求や注文内容を伝える
・業務の遂行やその他管理は受注者が行う


作業工程の見直しや変更など発注に関わる要求や注文は、業務請負契約の当事者間で行われるべきものであり、労働者に対して要求や注文を行うと指揮命令権が生じていることになってしまいます。また、業務の遂行などについて受注者が自ら行なっていない状態は、指揮命令権が受注者にあると言えないため偽装請負になります。常に、指揮命令権がどこにあるのかについて考えるようにしましょう


業務委託契約書を結ぶときに注意するポイント

業務委託契約書とは、委託者が受託者に業務を委託する際に、使用する業務内容や条件などを書面に記載したものです。後々のトラブルを回避するため、以下のポイントに注意して書面を作成しましょう。

・契約形態(請負契約・委任契約)
・業務内容(具体的かつ明確に詳細や範囲について)
・報酬の支払いタイミング・方法
・業務内の経費
・損害賠償
・知的財産
・秘密保持
・納期・条件
・再委託に関して
・禁止事項
・契約解除事由


フリーランスと契約する際に依頼側が注意するべきポイント

働き方改革やテレワークの推進などによってフリーランスとして働く方が増えてきています。また、フリーランスと業務委託契約を結ぶ企業が増えていますが、契約を結ぶ際には注意が必要です。

【優越的地位の濫用規制】
発注事業者の取引上の地位がフリーランスに優越している時、発注事業者がその地位を利用しフリーランスに対して、不当に不利益を与えることは優越的地位の濫用として、独占禁止法により規制されます。


独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法の規制対象になり得る行為は以下の通りです。

【問題となる行動類型】
・報酬の支払遅延
・報酬の減額
・著しく低い報酬の一方的な決定
・やり直しの要請
・一方的な発注の取り消し
・役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い
・役務の成果物の受領拒否
・役務の成果物の返品
・不要な商品又は役務の購入・利用強制
・不当な経済上の利益の提供要請
・合理的に必要な範囲を超えた秘密保持義務等の一方的な設定
・その他取引条件の一方的な設定・変更・実施



【Tips】下請法の規制の対象

下請法の対象となる取引は、事業者の資本金規模取引の内容で定義されています。


(1)物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合

親事業者と下請事業者の資本金規模が以下のようなパターンでは、下請法の規制の対象になります。


親事業者
下請事業者(個人を含む)
パターン1
3億円超え
3億円以下
パターン2
1千万円超え3億円以下
1千万円以下


(2)情報成果物作成・役務提供委託を行う場合((1)の情報成果物・役務提供委託を除く。)


親事業者
下請事業者(個人を含む)
パターン1
5千万円超
5千万円以下
パターン2
1千万円超5千万円以下
1千万円以下


まとめ

業務委託は、どのような目的で業務を依頼するかによって契約が異なってきます。また、業務の依頼内容によっても委任契約や準委任契約のように契約の名称が変わります。それぞれの違いをよく理解し、依頼したい業務の目的に合わせて委託を行っていきましょう。
そして、偽装請負など法律に違反することがないように、どのようなことが法律に抵触してしまうのかパターンや仕組みをよく理解し、気をつけて行動していきましょう。


参考文献
厚生労働省「データヘルス計画作成の手引き(平成26年12月)」
厚生労働省 東京労働局「あなたの使用者はだれですか?偽装請負ってナニ?」
厚生労働省・都道府県労働局「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」
公正取引委員会「下請法の概要」

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