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派遣を依頼するには?利用方法や流れ、料金について解説

派遣は、人手不足を助けてくれる存在として様々な状況で必要とされています。日本人材派遣協会によると、2020年1〜3月の平均の派遣社員数は約143万人であり、派遣社員を受け入れている企業は少なくありません。派遣の利用によって、業務の効率化やコストの削減ができるといったメリットがあります。

この記事では、実際に派遣を活用していくにはまず何をしたら良いのか、利用方法や料金、派遣を依頼するときに注意するポイントなどを解説します。


目次[非表示]

  1. 派遣とは?
  2. 派遣の依頼について知っておくべきこと
    1. 派遣会社に派遣を依頼するメリット・デメリット・注意点
      1. 【Tips】派遣できない業務
    2. 派遣の依頼方法と利用の流れ
    3. 派遣会社に派遣を依頼するときに伝えるべき項目
  3. 派遣利用時に注意すべきこと
    1. 派遣利用の注意点と事前準備
    2. 派遣社員受け入れ後に配慮すべき点
  4. 派遣料金の仕組み
    1. 派遣料金の相場
    2. マージン率
    3. 内訳
  5. まとめ


派遣とは?

派遣とは、直接雇用(正社員・契約社員・アルバイト)と異なり、雇用主は派遣元事業主でありながら仕事上指揮命令を行うのは派遣先であるというものです。

また、派遣には有期雇用派遣・無期雇用派遣・紹介予定派遣の3種類の派遣方法があります。


派遣の依頼について知っておくべきこと

派遣を受け入れるには、派遣会社に依頼し派遣契約を結ぶことが必要です。ここでは、派遣を依頼するメリット・デメリット・注意点や利用の流れ、依頼方法などについて説明します。


派遣会社に派遣を依頼するメリット・デメリット・注意点

派遣を依頼すると下記のようなメリット・デメリットがあります。また、派遣依頼に際して知っておくべきポイントや派遣できない業務があるので、注意しましょう。


【メリット】
・人手不足の際に即戦力となる人材を一定期間だけ雇うことができる
・保険関連や給与計算などの事務手続きは派遣会社が行うためコスト削減になる

【デメリット】
・派遣期間が短い場合、仕事に慣れて業務が効率化してきたときに派遣終了になる可能性がある

【注意事項】
・派遣が活用できない業務がある
・有期雇用派遣・無期雇用派遣では、派遣開始前に面接や書類などによる選考や事前の派遣労働者の指名ができない
→派遣会社毎の特色をよく理解し適切な派遣会社を選ぶ


【Tips】派遣できない業務

以下に挙げる業務は派遣ができません。しかし、病院・診療所等における医療関連事務については、「紹介予定派遣」「病院・診療所等以外の施設で行われる業務」「産前産後休暇・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務」「僻地での業務」の場合は派遣が認められています。


・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・病院、診療所等における医療関連業務
・弁護士、社会保険労務士等のいわゆる「士」業務


派遣の依頼方法と利用の流れ

派遣を利用する流れは下図のようになっています。派遣会社の選定や派遣社員の選定、派遣会社に連絡をして見積もりを依頼をする過程では時間を要する場合があるため、人手不足になることが事前にわかっている時は、前もって準備をしておきましょう。




派遣会社に派遣を依頼するときに伝えるべき項目

派遣会社に依頼内容を伝える際に、伝えておくべき事項についてご紹介します。


伝える事項
具体例
依頼背景             
現状の悩み、課題
就業条件
就業開始希望日、派遣期間、就業曜日、会社独自の休日、就業・休憩時間、残業・引継ぎの有無
担当業務内容

派遣スタッフの業務内容、業務量、業務スケジュール

必要なスキル、資格要件
業務経験、語学力等
職場環境

受動喫煙防止措置、服装規定

就業先部署の業務内容

部署の役割

福利厚生

制服貸与、食堂や駐車場など就業先施設の利用可能範囲

その他

朝礼の有無や必要な持ち物等


派遣利用時に注意すべきこと

派遣の受け入れ前・受け入れ後にそれぞれ注意することや準備すべきことがあります。派遣社員が早く職場に慣れ、効率的に業務を行えるように以下のことに注意しましょう。


派遣利用の注意点と事前準備

派遣を利用するときに注意すること・事前に準備しておくと良いことについてご説明します。


【注意点】
・契約書にない仕事(残業・勤務時間変更・出張など)をさせない
例えば、勤務時間を早朝や深夜に変更する、契約では営業の業務と書いていたが人出が足りず経理の業務をさせるといったことは契約違反です。
・特定目的行為(派遣会社に派遣社員を若年者に限るといった指示をすること)の原則禁止

【事前準備】
・派遣社員に業務指示を出す指揮命令者の選出
・派遣会社と連絡を取る、派遣社員の就業管理を行うなど派遣社員の適正な就業を確保する派遣先責任者の選出
・派遣社員が業務に早く慣れるように業務マニュアルの作成や使用する機器やソフトなどの準備


派遣社員受け入れ後に配慮すべき点

派遣社員を受け入れた後、派遣社員と良い関係を築き派遣社員が気持ちよく働けるように、どのようなことを配慮すればよいかご説明します。心理的負担が減ることは、業務に対する成果にも関わってくるので、良い仕事環境を心がけましょう。


・社内の相談できる人を伝えておく
・社員への紹介など人間関係構築のサポート
・社内ルールや社内設備・施設についての説明
・業務内容を明確に伝える


派遣料金の仕組み

派遣料金は、派遣会社から派遣労働者に支払われる賃金マージンがプラスされた金額です(派遣料金賃金マージン)。マージンというと、仲介手数料、仲介会社の利益というイメージがありますが、後ほど内訳で説明するようにマージンの約7割は派遣労働者の賃金です。また、残りの約3割のほとんども社会保険料、有給休暇費用、福利厚生費や教育訓練費などに当てられ、派遣元事業主の利益はマージンの内の数%程度です。そのため、一概にマージン率が高いからといって派遣元事業主の利益が多いとは言えず、派遣会社ごとにマージンだけを比較するのではなく、その内訳についてよく知ることが大切です。



派遣料金の相場

「労働者派遣の平均料金 (1日8時間あたり)」について数社の派遣会社を例に見てみましょう。具体的な平均派遣料金を知っておくことで、見積もりの依頼をする前でもイメージがしやすくなります。


派遣会社
平均派遣料金(1日8時間あたり)
A社
21,432円(2021年)
B社
20,059円(2021年)
トライ・アットリソース
14,853円(2021年)



マージン率

マージン率とは、「(派遣料金の平均額―派遣労働者の賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100」という式で算出されます。まず、派遣先が派遣元に支払う派遣料金の平均額から、実際に派遣労働者に支払われる賃金の平均額を引きます。それを派遣先が派遣元に支払う派遣料金の平均額で割って%に直すと、マージン率がわかります。

これにより、派遣先が支払う派遣料金の内、派遣労働者に支払われる賃金以外のお金=マージンがどのくらい占めているのかわかります。同じ派遣会社でも支社によってマージン率は変わりますが、おおよそ30%程度となっています。


派遣会社
マージン率
A社
28.2%(2021年)
B社
25.0%(2021年)
トライ・アットリソース
25.4%(2021年)


内訳

派遣料金の内訳は、日本人材派遣協会によると下図のようになっています。マージン率がそれぞれの会社によって異なるので、多少円グラフの割合は変化しますが派遣社員に支払われる賃金が派遣料金の70%を占めています。


まとめ

派遣は、繁忙期や欠員時などに重宝されますが、派遣を受け入れようと考えてから派遣会社と派遣契約を結び派遣社員を受け入れるまでに時間がかかることがあります。また、派遣会社によって特色や強みとする職種、マージン率、平均派遣料金なども異なっています。そのため、なるべくスムーズに派遣社員を受け入れるには、派遣できる業務であるのか、何を派遣会社に伝えればよいか、注意点をあらかじめ知っておき事前準備などもしておきましょう。


▼ 関連資料


参考文献

一般社団法人 日本人材派遣協会 「派遣の現状」

厚生労働省 「特定目的行為の禁止について」

一般社団法人 日本人材派遣協会 「賃金・社会保障」

▼トライ@resource人材サービスラインナップ

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